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「虐待んなんかするんじゃない!」

「虐待なんかさせられるんじゃない!」

Bricolageは、いつからこんな

心の深い部分をえぐる冊子になったのか?

ドキッとして、

美容院の椅子の上で、目を細めながら思わず何度も読み返した。

ひっくり返して表紙を見た

ああ、いつから?ちっちゃく書いてある。

”ケアの情報とその深部へ”

ほぅ….

「虐待なんか、するんじゃない!」
「虐待なんか、させられるんじゃない!」

側に居るどれだけの人が、
親身になって、こうストレートに言ってくれる事だろう。

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「虐待を本気で無くしたいと願う介護職は、

介護保険制度の根本に疑問を投げかけなければならない。

介護保険にどっぷり浸かり、ご機嫌を損ねないように

愛想笑いをする僕らにそれが出来るのだろうか。」

「カネもコネも無い現場のいち介護職だった僕は、

介護保険制度のおかげで独立するチャンスを得て、

今も仕事をさせてもらっている。

介護保険制度を否定する立場にないし、

そのつもりも毛頭ない。

ただ、介護保険制度に介護の精神まで全て

ゆだねる事はできないと思っている。

その制度のとても良い面の裏側には、

とても危うい面が宿命的に張り付いている。

その危うさは介護の人間観と相入れないものだ。

介護保険制度をいい制度として運用するためには、

人間観までその制度に売り渡してはいけない。

介護という関わりは、

ひとにどう関わるかという事を通して

自分の生き方を模索することだ。

だとしたなら、僕らが徹底的に見直すものは

僕らの生き方と言うしか無い。

虐待にあふれたこの世界で、

僕らに出来ることは何だろう。

僕らは、自らの生き方を、

社会や制度や、まして施設のせいにすることなく

問い続けるより他にないのではないか。

沈黙は、YESと同じだ。」

Bricolage・Vol243・P11(伊永紳一郎氏著)より抜粋

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人間観まで、その制度に売り渡してはいけない。

沈黙は、YESと同じだ!

10回以上は読みなおして、何度でも読みなおして、

自分の魂に問いかけたい言葉。

「何の為にこの仕事を始めたのか?と考えさせられます。

たかだか、こんな小さな商売で、

自分の思いを偽って、

制度に沿わなければならないと言うのであれば、

この事業を続けてゆくことを、

もう一度、考えなおしたいと思っています。」

市からの強制調査が入ったあの日、

自分の口から出た言葉。

自分の後ろには、何人もの従業員の暮らしがある。

そんな事は、解っている。

それでも、自分の心を売り渡してまで、

「世間の正しさ」とやらに頭を垂れたままで、

歩き続けることは、嫌だと思ったんだ。